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ダイブ、カレー。

カリー寺のブログを書こうと思いついたのが、部屋とYシャツと私。だから、寺とカレーと私みたいな感じで書けないかなあと思ったのですが、他の実行委員の方が似たようなタイトルで書いていたので、自分はごく私的な「カレーとぼくにまつわる話」を書いてみようと思います。

生まれて最初に口にするカレーといえば、たぶん学校給食か家庭でつくられたカレーだと思いますが、ぼくも最初に口にしたカレーは母のカレーだったと思います。

母は料理が下手で、我が家のカレーはとてもまずいカレーでした。スープカレーかなと思わせるようなしゃばしゃばな状態。隠し味のニンニクはちゃんと炒めずに煮込んであるせいで、カレー全体がニンニク臭い。そして、カレーがかかったご飯はお粥のようにやわらかい。とても残念な感じのカレーでした。

子どもの頃、そんなカレーを食べていたぼくが人のために初めてつくった料理は、恋人へのカレーでした。

母とは違ってカレーはまともにできあがり、満足して一緒に食べようとパートナーの帰りを待っていました。でも、パートナーの帰りが遅くなり、一緒に食べることはできませんでした。ぼくはどうしていいのかわからなくなって、初めてつくったそのカレーをキッチンの床にばらまき、カレーの海にダイブしたのでした。

そのころ、自分は心が不安定で感情の起伏が激しく、解離性障害にも似た状態でした。今思えば、その姿って滑稽ですよね。そんな感じでそのカレーは相手も自分も食べることなく終わり、カレーまみれになったぼくがいただけなのでした。そんな私的な昔話が、ぼくにはあります。←ここ笑うところです。

まぁ、カレーでこんな話ができるほど、カレーってあまり嫌いな人っていないですよね(?)。種類もジャンルも豊富だし、まるで人間みたいに多様でおもしろいです。辛口な人や甘口な人、スパイスの効いたピリッとた発言をする人、コクのある味わい深い人などなど。

このカリー寺はイベントを通じて、異文化(異なる他者への想像)が広がっていくことを意図・期待しているのですが、間違いなく新しいカレーと人に出会えると思います。

ぼくにもいろんな異文化とのつながりを与えてくれたカリー寺住職と修行僧、そして関わるみなさんに合掌!

今年も楽しみたいと思います。

(文・景山 幸信)